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黒春香(春閣下)のルーツ

今回のお題:黒春香のルーツ(原点)について考えてみる。
上の画像は「あい☆ます〜春隠し編〜」のコメントから抜粋したものです。
すべて的を射た発言ではないでしょうか。
これに同人誌の黒春香設定を追加すればほぼ網羅できているのではと思います。
改めて黒春香が生まれた経緯について取り上げてみます。
1.春香の声優をしている中村繪里子さんがラジオなどで時々腹黒い発言をしているため。
春香のイメージが中の人に引っ張られてしまったケースです。
中村繪里子さんは「守銭奴」「黒姫」といった異名がつく程、ラジオなどでよく黒い発言をしています。
(なおご本人の名誉のために私の印象を述べさせてもらいますと、中村さんはとても気配り上手で、場の空気を大事にする方だと思います。周りを盛り上げるためにわざと自分をネタにした話題を取り上げて黒く振る舞っている部分が大きいと思います。もちろんご本人自身が楽しんでおられる面も多々あるでしょうが)。
・「ラジオdeアイマSHOW! 第1期」
「大きな忘れ物は?」と聞かれて「夢を忘れてしまったような気がします・・・」
・「ラジオdeアイマSHOW! 第2期」
第28回で「超ポジティブ!守銭奴ver.」が公開される。
第32回で星に願うものは「世界制覇できますように!」
「よく半目になるのよね」発言。
・「ラジオdeアイマSHOW! 第3期」
第52回で「中村と春香は一心同体」。
第53回で「中村春香」。
第55回で中村さんが黒春香について言及。「黒キャラから脱皮する方法」のコーナー。
イベントなどでファンから閣下と呼ばれるようになる(閣下の由来については黒春香用語を参照してください)。
今までの発言から中村さんと春香の相性はかなり良いようです。そのためラジオでの中村さんの黒発言が春香を演じている時にも見られるようになり、いつしか中村さんの黒モードが春香にも引き継がれるようになりました。
2.「アイドルマスター ドラマCD Scene.06 EXTRA STAGE 2 メイドカフェ編」で性格の反転した春香が登場した(リンク先は一部セリフを抜粋した動画です)。
→公式で黒春香登場。
「とっとと、用意して配って下さいね♪ 無能なんだから」
「これだけ混雑してるのプロデューサーさんの仕切りが悪いからですよ。そのくせ自分は見ているだけなんていいご身分ですよね〜♪」
「あんまりさぼるようだと・・・・、私、本気で怒っちゃいますよ」
「いいえ、プロデューサーさんの無能さが招いた現実ですよ♪」
3.「WEBラジ☆ショッピングマスター」で春香が全然仕事をしない亜美達に逆襲する回(第6回)やぶちキレる回(第11回)があった。
→怒らせると怖い人というイメージが定着。
「そんなわけないじゃない♪ ・・・フフッ」
「フフッ、分かってるわよね♪」
4.春香の「普通の子」という設定が黒キャラのパロディに改変しやすかった。
公式とwikipediaの設定によると、
天海春香
年齢:16歳、性格:元気系、158cm/45kg、3サイズ:83-56-80、
誕生日:4月3日、血液型:O型、趣味:おかし作り、カラオケ
小さい頃から歌を歌うこととお菓子作りが大好き。素直で前向きだが、少し天然でドジ
テンションが下がりにくく、コミュニケーションも優等生的な受け答え。能力は平均的だがムラがないので育てやすい。初心者向けとして用意されたヒロインと言えるでしょう。
この手の普通を狙ったよい子ちゃんキャラは昔からパロディで腹黒性格にされる運命があります。私の知っている中では「To Heart2」の柚原このみ(りゅうおうたん保管庫、グロ注意)、「マリア様がみてる」の福沢祐巳(有機化合物)。他には「うたわれるもの」のエルルゥなど。あまりに頭が良すぎると腹黒よりも理知的に見えてしまい、あまりにボケキャラだと微笑ましくなってしまうので、この「普通」という設定は黒キャラにとって重要な要素と考えられます。
またゲーム本編にて、
・XBOX360版で美希が新キャラとして投入された際、春香がセンターの位置を奪われた点
・コミュシーンで春香に対するプロデューサーの反応が他ヒロインの時と比べて鈍い点
などにより春香が暗黒面に墜ちやすい土壌が作られたと思われます。
実際同人作品で黒春香のパロディがいくつか作られました。有名どころでは、ユキヲさん(powder snowなど)やGUNPさん(merm@idolなど)が挙げられます。前者は暗黒面に墜ち殺人も厭わないシリアス春香、後者はプロデューサーを困らせる小悪魔的な春香が特徴的です。春閣下のネーミングはLEMLAML氏の同人誌「はるかっか」が由来。ただしそれ以前にもオーディションのコメント欄に「はるかっか」と入れる動きがあったようです。
ただ初期の黒春香はあくまで同人レベルで留まり、コアな嗜好を持つ者のみが楽しむ世界だったと思われます。それが一般にも認知されるようになったのは以下の事情も加わっているからと想像します。
5.ヤンデレ・邪悪ヒロインの存在が以前より認知されるようになった
近年「ヤンデレ」「邪悪ヒロイン」と言う言葉が知られるようになってきました。これは公式の設定で「病んだ精神」「黒い性格」を内在し、特定キャラ(主に主人公)に異常な執着を見せるヒロインを指します。この手のキャラは以前からも存在していましたが(「ダブルキャスト」の美月、「君が望む永遠」の愛美、「狂った果実」 の美夏など)、最近は公式が積極的に売り出しているところが新しい流れです。有名どころでは「ひぐらしのなく頃に」のレナ(彼女の特殊な設定を考えると黒キャラと定義するのは異論があるかもしれませんがここでは鉈のイメージから黒キャラと定義させていただきます)、アニメ版「Shuffle!」の楓、「School Days」 の言葉など。彼女らは作品の看板になるほどの有名な存在になっています。その流れの影響もあって受け取る側が以前ほど黒ヒロインに対して抵抗感を持たなくなり、またパロディを作る側もレナのような多くの人が知っている黒ヒロインのテンプレートがあるため、以前より黒キャラを狙った創作物が作りやすくなったと考えられます。
6.YouTubeやニコニコ動画などの動画配信サイトの発達により、パロディ作品が以前と比べて多くの人の目に入るようになった。
きっかけは1〜4の要素が大きいと思いますが、広まったのは動画配信サイトの貢献が大きいと思います。動画サイトではシリアス路線の闇春香を演出した「春香覚醒カタルシス」や「阿修羅姫」、ブラックジョーク的要素の強い「春閣下と愉快な仲間たち」が先駆けと考えられます(半目春香を黒春香に結びつけた功績は偉大だと思います)。
その後、「アイドルマスター 春閣下 洗脳・搾取・虎の巻」や「アイドルマスター 春香「ふふふーん♪」を別の曲に」で黒春香の認知度が高まり、「アイドルマスター 大偶像峠」「撲殺閣下ハルカちゃん」などの良作が次々と生み出されました。この時期、動画編集レベルの高い作品が集中したこともあり、黒春香の設定がますます盛り上がったものと思われます。
動画における黒春香の歴史・考察については当ブログの「下積み時代の春香」「春香と電波ソング」「黒春香と白春香」「闇春香と春閣下」を参照してください。また外部サイトでは「花見川@ニコニコ部」様の「アイドルマスター「天海春香」まとめ 」が丁寧にまとめられています。
以上まとめますと、
春香の「普通」設定が黒化のパロディとして扱いやすかった。
同人や個人サイトで黒春香が作られる。
(ここまでは昔からある流れ)
公式で黒春香のパロディが作られる。
春香役の声優さんが黒発言をする。
(黒春香がより広く認知される)
動画サイトの発達によりMAD、パロディ作品に触れる機会が増加。
黒ヒロインを受け入れる土壌が以前より成熟してきた。
反響が大きくなることで動画職人が増加。
作品の絶対数が増加。
(黒春香ブーム到来)
なお、このまとめは厳密な時系列順では書いていません。順番が逆のケースもあるでしょうし、同時に起こったものもあるでしょう。原因を一つに限定するよりは複数の要因で「黒春香」が作られたと考える方が個人的に受け入れやすいと考えました。
現在天海春香は、黒い性格・計算高さを描いた黒春香、病的でシリアスな面を強調した闇春香、原点に戻って本来の魅力を描いた白春香、一生懸命で熱血な部分 を取り上げた赤春香、恋愛面を重視した色っぽい桃春香など多数のジャンルが作られています。もしかすると将来は黒春香の枠に収まりきらない春香が多数派になるかもしれません。個人的に、動画職人さんが春香に対して色々な可能性を見いだしてくれることは非常に幸せなことだと捉えています。もちろん本来の春香 が一番なのは言うまでもないですが、自分の考えつかなかった新しい一面を作品から見いだせることは非常にありがたいと感じています。そのためこれからも春香の新しい一面を描いた作品に出会えれば、微力ながらこのサイトで取り上げていきたいと考えています。
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